HSC(人一倍敏感な子) との関わりで大切にしたいこと

HSC (Highly Sensitive Child)は他の子が簡単にやってのけることでも自分には難しい、という場面に度々遭遇します。
その度に自分に対して否定的な感情を抱いたり、周囲から貼られた「恥ずかしがりや」「内気」「神経質」「おっとり」などのレッテルに傷つき、自分に自信が持てなくなったりすることがあります。
研究によりHSCは、非HSCに比べて、幼少期の生育環境からの影響を強く受ける傾向があることがわかっており、敏感さや感受性の高さを持ちつつどのように成長していくかは、幼少期の環境によって大きく左右されると言われています。
つまり、HSCであることを否定されない安心できる温かな家庭で育ったHSCは、その特性を活かし、喜びや幸せを人の何倍にも感じられる大人に育つことができると言えるのかもしれません。

HSCがのびのびと健やかに成長していくために、親や周囲の大人が関わる際のポイントを紹介します。

子どもの話は遮らず最後まで聴きましょう

HSCは、自分の考えをまとめたり表現したりするのにとても時間がかかります。そして自分が発した言葉やその態度に対する相手の反応を気にしています。
忙しい時などは、つい先を急がしたり遮ったりしがちですが、自分の話を楽しそうに聞いてくれる人がいる、もっと話したい、と思えるような聴き方で接してあげることは、HSCが自分自身をどう思うかに影響する大事なことです。

子どもに起きていることに共感しましょう

HSCは、初めての場所やストレス場面に大きく動揺することがあります。このような時、つい「大丈夫、大丈夫」と激励したくなるものですが、まずは「ドキドキするよね、初めてだもんね」と共感してあげると落ち着きを取り戻しやすくなります。
さらに両親のどちらかがHSPである場合は、「ママも子どもの頃こんなことがあってね…」と似たような経験の話をしてあげると、私だけじゃないという安心を得ることができるでしょう。

一方的に叱るのではなく話し合いを

時にはきちんと叱らなければならない場面もあるでしょう。そのようなときは、一方的に叱るのではなく話し合いの形をとりましょう。
HSCは、大きな声やネガティブな雰囲気にすぐに圧倒されてしまい、激しい口調でまくし立てても効果はありません。
「ママはこう思うけどどう?」「次はどうするのがいいと思うかな?」敏感なHSCは、何が良くて何が良くなかったのか、理解するのにそれほど多くの時間は必要としないのではないでしょうか。
自分で考え、選択することの積み重ねは自信にも繋がっていくことでしょう。

ネガティブなレッテルを貼ったり、口にしたりしないようにしましょう

「全く困ったものだ」「本当にダメな子だ」などといった言葉を投げかけることで、ネガティブなレッテルを貼らないようにしましょう。敏感なHSCにとって、ネガティブなことはポジティブなことよりも残りやすく、心の大きな傷となることがあります。
自分を好きな大人に育つためにレッテルを貼らないことは大切なことです。

子どもが失敗したときこそチャンス。ポジティブ思考の習慣をつくりましょう

HSCは、何かに失敗したとき他の子の何倍もショックを受け、次に挑戦する気持ちを失くしてしまうことがあります。失敗したときは責めて正しいことを教え込もうとするのではなく、失敗して落胆している気持ちに寄り添う姿勢が必要です。
また、そんな子どもの失敗を利用してポジティブな考え方を身につける練習をしてみてもいいかもしれません。
コップの水をこぼしてしまったら一緒にテーブルを拭きながら、「こぼれたおかげでテーブルをピカピカにできたね」のような声掛けができたら、過剰に失敗を恐れることもなくなっていくことでしょう。

HSC/HSP について一緒に学びましょう

子どもがある程度の年齢に達したらHSPについて正確に理解する機会をもつのも良いかもしれません。
幼い頃から事あるごとに周囲と少し違う自分に気づかされてきたHSCが、HSPの素晴らしい面を見られるようになっていくことは大変大切なことです。

親が率先して堂々と振る舞いましょう

HSCであってもなくても子どもは親の振る舞いをよく見ていて、親の姿から様々なことを学んでいます。
もしあなたがいつでも人に合わせ、自信なさそうにしていたら、それは多少なりとも子どもに影響を与えるでしょう。
子どもが悲しい思いをして帰ってきたときに、「あなたはあなたのままでいい」と毅然とした態度で言える親のもとで育ったHSCは、HSPの特性を存分に活かして歩んでいけることでしょう。

良質な休息を与えましょう

子どもであってもHSPですので静かな時間や休息が必要です。
スキンシップや笑顔に包まれた時間もまた、疲れた心身を癒すのに最適でしょう。たとえ短い時間であっても、一日に一度ゆったり過ごせる時間をつくりましょう。
部屋に物を置き過ぎず、秩序が保たれた落ち着ける環境つくりを心がけましょう。

HSCを育てる親に向けてアーロン博士は自身の著書の中で、
「他の子とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要です」と述べています。
杓子定規にはいかない HSCの子育ては、時に工夫が必要になることがあるかもしれません。
しかし子どもの特性を正しく理解し、粘り強く子育てをすれば、子どもたちは自分の高い感受性と敏感さを受け入れ、5人に一人のその能力を活かして生きていくことを学ぶことでしょう。